Saturday, July 29, 2006

一歩進んだ

一歩進んだカタマラン造船

カタマランの材料となるプラスチィックがシンガポールを明日出航すると連絡が入り、受け入れる我々は気分的になんとなく忙しくなってきた。

シンガポールからニュージーランドまで船が着くまでまだニ週間近くあるのに、明日にでも着くように気持ちが高ぶる。
船がシンガポールを出港するとインボイスとB/L(船荷積書)が送られてきてそれを持ち税関に行き審査と税金を納める。

それが済むとコンテナーが着き次第、港から持ち帰ることが出来るのです。
すでに前もって税関にメールを送り 「こんな品を輸入するが問題はないか?」と問い合わせてあり、税関からの返事は7%の関税と品物の代金+送り賃+税関の手数料の合計に12,5%の消費税が加算されると連絡される。

まったく税金の高い国だと嘆くのだが、少人数で国を賄っている為一人当たりの収入に対する税金が高くなるのだと諦める。それでもどうにか少しは安くなる手はないものかと考えるがニュージーランドでは手に入らないので税金を払うことにする。

材料の輸入と平行して今、愛艇のメンテナンスを行っており、時間が空いた時にはカタマランの造船場所として切り開いている庭?の一部でショベルと一輪車を使って毎日少しずつ切り開いている。

我々の家は景色を重点に置き、丘の中腹に建てたため平らな土地がなく斜面を切り開く以外に平地を得る事は不可能、と思われる土地で、以前より長年この土地でヨットが造れないものか?と考え抜いた末に{不可能だ}と結論を出していたのだが、今回親友の死があり、もう今やるしかないと不可能に挑戦することにしたのです。

少し可能性のある場所を見つけ夫婦で毎日少しずつ土地を削り取り少しずつ平らにしてゆく。
今時ショベルで整地している人もいない時代に、何故か自分の力でこの不可能な斜面を平らにしたくて毎日掘っていったのです。
今一ヶ月が経ちました。あともう一日で整地が終わろうとしています。この不可能に見えた斜面が平らになった時カタマランが造れるだけの地道な作業が出来るような気がしているのです。

よく人に何をしているのだと聞かれる時 「金を探しているんだ」と冗談を言う事にしています。そして 「どうですか?一緒に掘りませんか? もし金が見付かったら貴方にあげますよ」と言うのだが誰も一緒に掘ってあげようと言う人が現れませんでした。

あと一日で整地が終わると言うときに、以前から狙っていた作業小屋となるテントを安売りしている事をテレビで見つけ今日4つも買って来ました。
一個が3メーター x 6メーターなので4つ並べ少しビニールを足して張れば結構大きな小屋ができると思っているのです。

今から造ろうとしているカタマランは幅7メーター、 長さが15メーターなので、もう少し作業スペースをいれて最低8x16メーター必要と思われるのですが。
少しずつ船体を分けて造り、最後にマリーナーへトラックで運び込み組み立てようか?と考えているのです。
資金も少ししかなく作業スペースも少なく、初めて自分で総てを造ろうと言うのですから女房でも半信半疑です。

それでも不可能はないと偉そうに言い張り何とかない知恵を絞り挑戦しているとなんとなく開けてくるもので、材料の見積もりを取った店から思いもよらず予想より安い値段で見積もりが届く。

そして技術的に問題であった細かい点は、イギリス人が書いた本が見付かり、細かい疑問点が少しずつ解けてくる。
少しずつと言うのは言葉の問題と経験の少なさでその本に書いてある細かい技術が読み取れない。
何度も何度も読み返して実際にカタマランを造るシュミレーションをしながら考えてゆくと少しずつその本に書いてあることが読み取れてくるのです。

この本を師匠としてカタマランを完成させてゆく予定です。「できるかな~」? 世の中には不可能はないでしょう!。
そうそう この間自分でも驚く言葉が口から出たのです。「人生には答えはない」「だから間違いも無いんだ」
各自の人生はどんな生き方も正しいと言う事です。「そう思いませんか?」

多分世の中の決まりごとなどは一部の権力者が自分の都合の良い方に人々をコントロールしようとして真しとやかに流しているのでしょう。                   では又、

Saturday, July 22, 2006

ブリスター

ブリスター

又しばらく書けなかったブログを少し時間が出来たので久し振りに書いて見ました。

カタマランの進行状況はやっと今シンガポールの工場で材料を作ってもらっていると言う状況です。
何故シンガポールか?と言いますと、
ファイバーグラスの芯材となるフォームを世界でも3カ国でしか原材料を作っていないらしく、その材料を生産している会社の紹介でシンガポールの製造工場に作ってもらっていると言うところです。

インターネットがある時代なのでニュージーランドにいながら世界の会ったことも無い人と話し、取引が出来る面白い時代となっています。
我々が今乗っている中古車も日本に頼み、知らないディーラーから買い、ここニュージーランドに送ってもらったのです。

総てインターネットで上手くいくとは思っていませんが、今のところまあまあと言うところです。

ところで最近は今まで長年親しみ生活を共にしてきた我が愛艇を次のカタマランを造る資金にしなくてはいけないので、売りに出したのですが「やっと売れる」と言うところまで来て、船をサーベイ(船の状態を調べる人)に見てもらったところ、
長年海に浮いているままで一年に一週間ぐらいしか陸に揚げなかったので、
目に見えない小さな穴から、少しずつ海水を吸い込んで船底が水ぶくれを起こしていることが発見されたのです。

結果的に売買契約は破棄され又振り出しに戻ったのです。
そこで仕方なくメンテナンスをすることにしたのです。

この水ぶくれは船のハシカのようなもので海水に浮かべていれば仕方の無いファイバーグラスの罹る病気のようなものです。
ファイバーグラスの船が良くないということではなく、木造艇は海水を含み腐ってくるし、鉄やアルミは錆が出て金属疲労を起こし折れてしまう危険がある。どんな船も長所と欠点があるのです。
我々人間も同じ様に良いところも持っているが悪いところも持ち合わせているのです。

直し方は簡単に言いますと、船底に塗ってある船底塗料をはがし、痛んでいる水ぶくれ、船底の皮膚を剥き乾燥させる。
乾燥したらその穴をパテで埋め、新しい皮膚となるエポキシを塗り船底塗料を塗って出来上がり。

簡単に言うとこれだけですが、この船底塗料というのが毒で、海が汚れるのですがこれを塗る事で貝類や藻などが付かなくなる。もしこれを塗らないと一週間でクロカンのスキーのように滑り止めとなってしまう。

出来ることなら塗りたくはないのですが仕方なく塗っています。一見、船を持つ人が海を汚すように見えますが、
養殖の魚を育てている囲いにもこの船底塗料が使われているのです。
養殖場の魚がこの囲いに付く船底塗料を突付いて食べ、成魚となり食卓に運ばれて行くのです。

とにかくこの船底に着いた塗料をグラインダーで磨き取り除く、これが健康に悪いホコリだらけの仕事なんです。
ここをやり遂げると後は簡単ですが、この仕事が一番辛く、顔にスキューバーダイビングのようなマスクをかぶり、フードの付いた服をかぶり、覆面をかぶり、その上から合羽を着てグラインダーで磨くのです。

余りやった事も無い仕事で手がしびれ辛いのですが、何時もお世話になっている愛艇が健康を取り戻してくれる事を願い、ホコリだらけでやっているのです。

専門家?にやってもらえば良いのですが、大変な仕事と言うのは非常に高く目が飛び出る値段を請求されるので、
何事も勉強と言った気持ちで自分たちでやっています。

こんな仕事を毎日やっているのですが、悪い事ばかりではなく仲間のヨット乗りたちが各自のヨットをメンテナンスしているので、ここドライドックは船乗りの社交場にもなっており雑談を交わし楽しいひと時を過しています。

この場所はマリーナーの一角にあり、海に浮かんでいる船を見ながら陸揚げされたヨットのメンテナンスをするのです。
ここで気が付く事は、マリーナーにはランチと呼ばれるクルーザーとマストが付いているヨットが浮かんでいるのですが、
マリーナーを歩く人で船の持ち主は、太っている人はたいがいランチの持ち主である。
そして痩せていて贅肉の無い人はたいがいヨットのオーナーである。

この不思議と思われるような体型の違いが、船を選ぶときの精神状態をあらわしているのか?それともランチに乗る人が楽なので運動不足になっているのか?

一般的にランチに乗る人は「ガハハ・・・・」と言ったタイプの人が多く、ヨットの人は少し神経質そうな人を多く見かける。
すれ違う顔見知りの人には挨拶はするのですが、ヨット派の人とは趣味が合うがランチの人は考えている事が違うのか?挨拶程度になり話すことが余り無いのがマリーナーでの現状です。
                                        今日はこの辺で。